【専門家コラム】20150528 起業時にはどれくらいお金があればいいのか? その2

起業時にはどれくらいお金があればいいのか? その2(飲食店の場合)

当コラムをご覧いただきましてありがとうございます。

今回は第2回目、前回の続きで起業するときのお金の話について話をしていきます。

前回は、起業に際して必要な資金には「開業資金」と「運転資金」の2つが必要となるとお話ししていきました。それでは、具体的に起業時に必要な資金を検討していくにはどうしたらよいでしょう。

そんな時には資金のイメージをふくらませるためにも「事業計画書」を作成してみるのをおすすめしています。

 

ステップ1 : 開業資金について「事業計画」してみよう

まずは、開業までにかかる資金について考えてみましょう。

① 店舗賃借のための保証金・権利金や、オープンまでの家賃
② 設備投資・内装費など
③ 食器その他の消耗品など
④ 従業員募集のための求人費、広告宣伝費
⑤ 開業までの人件費
⑥ 商品開発費やメニュー印刷費など

この他にも、開業前には思っているより多くの経費がかかってきます。この段階では、多目に見積もりしておいたほうがいいかもしれません。

 

ステップ2 : 運転資金について「事業計画」してみよう

開業までの資金はなんとか計画できたとしましょう。
それでは、次に運転資金について考えてみましょう。

ここからは、より具体的に起業後の資金について考えていかなければなりませんので、オープン後のお店についてイメージを膨らませていきましょう。

① 1日の売上高の目標は?(客単価×人数)
② 1日の仕入金額はどれくらい?(客単価×原価率×人数)
③ 1日の人件費はどれくらい?(時給×時間×人数)
④ 1カ月の家賃や光熱費、通信費はどれくらい?(概算)
⑤ 1カ月の消耗品や広告宣伝費はどれくらい?(概算)
⑥ 借入をする場合には、1カ月の返済額はどれくらい?

単純にいいますと、①売上から②~⑥の原価・経費を引いた金額が手元に残ったお金として、生活費や今後の事業展開のために必要な資金となります。

運転資金とは、この手元に残って次の支払いなどのために残しているお金をいうのですが、起業時には最初から売上がまとめて入ってくるわけではないというところに注意が必要です。

たとえ毎日売上があったとしても、そこから仕入金額を引いて、毎月月末にまとめて家賃・人件費・光熱費を支払う場合には、その時点でまとまった資金が必要となるのです。

その際に、まとまったお金がないということになってしまうと、資金不足として事業が立ち行かなくなってしまいます。

そのため、ある程度の運転資金は起業前に準備しておく必要があるのです。
目安としては、①の売上の1ヵ月分は準備しておきたいところです。

 

ステップ3 : 「事業計画」を見直してみよう

ここまでの内容について、一度どのくらい資金が必要なのか検討をしてみましょう。

開業資金については、実際に店舗を出したい地域の家賃を調べてみたり、設備投資の見積もりをとってみたり、内装にどれくらいかかるのか調べてみましょう。

また、オープン後の運転資金については、ライバル店になりそうなお店や目標となるお店を調査して、毎日何人ぐらいが来店しているのか、単価はいくらくらいなのか、従業員はどれくらいいるのか、家賃はどの程度の地域なのかを調べてみましょう。

そうすることで具体的な「事業計画書」が出来上がってきます。

そこで初めて、理想と現実のギャップを具体的に理解することが可能となってきます。

そこから資金が足りないようであれば、中古の設備を探したり居抜きの店舗を探すなど、実際に調達可能な資金に見合った「事業計画」を再検討することもできるようになります。

現実的に実現可能な資金目標と事業計画を持つことが起業に向けての第一歩になるのです。

 

今回はここまでです。

次回は、事業資金の作り方について、自己資金や銀行借入、補助金などについてお話ししていきます。

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